2014年2月19日水曜日

Global Englishにおける発音について

今週から、このタームで一番興味を持っていた英語の発音とスピーキングのクラスが始まった。というのは、このクラスの目標として、「様々な国の人間が話す英語にどう対応するのがよいかを教える。」ということが書かれてあったためである。そして、授業の最後に興味深い論文が配られた。

Dr. Jennifer Jenkinsが2002年に発表した"Global English and the Teaching of Pronunciation"という論文である。この論文をネットで調べても、元のソースがどこなのか、よくわからなかったが、この著者は、現在はUniversity of Southamptonで教鞭をとっているようである。

https://www.southampton.ac.uk/ml/about/staff/jj1a06.page#background

ここで書かれてあることは、ノンネーティブ同士の英語のコミュニケーションをスムーズに行う上では、英語のネーティブスピーカーが重要と考えているファクターが必ずしも必要ではないと記されている。

ノンネーティブ同士の英語発音で重要なファクターは、

  1. "th"(=θ)の音以外のすべての子音を正確に発音すること。
  2. 母音が長音か短音かの区別。
などがあげられており、逆にネーティブスピーカーが考えているほど重要でない英語発音のファクターは、

  1. "th"(=θ)の音。
  2. 母音の微妙な区別。
  3. フランス語でいうところのリエゾン的な音の変化。
などが挙げられている。


そう。まさに、私が英語ネーティブに指摘されるのは、この"th"の音と、母音の微妙な違いが多いため、この論文を読んで、この点に関してGlobal Englishとしての英語を話す場合は、これらの点はあまり気にしなくてもコミュニケーションには大きく影響しないということで朗報であった。しかし、逆に"th"以外の子音はすべて重要ということは、私がよく間違える"R"と"L"の違いは仮にノンネーティブ同士でのコミュニケーションでも重要になるということで、ここは注意して今後も学習を続けていく必要があるなと感じている。

最後に、ノンネイティブ同士のコニュニケーションツールとしての英語能力を向上させるには、学習者はネーティブスピーカーの英語に重点をおいてリスニングやスピーキングの練習をするのではなく、なるべく母国語が異なるノンネーティブスピーカー同士で英語のコミュニケーションをさせる方が、グローバルイングリッシュとしてのコミュニケーション能力の向上につながると締めくくられていた。この点の指摘については、私自身、日本で6年間ほど様々な国の人間と英語でコミュニケーションを行って仕事を進めていた経験からなんとなくそのような事は感じていたものの、子供の英語教育となるとあまり自信を持てずにいた点であった。しかし、この論文を読んで、今のところ英語圏での生活を前提としていない子供達の英語教育については、英語ネーティブ話者にあまり重きをおかずに考えてもいいのだろうという考えがある程度確信につながった。

来週の英語のクラスでは、この論文についてディスカッションするとのことで、今からどんなディスカッションになるのか楽しみだ。

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